「探偵小石は恋しない」森バジルーー

今回は森バジルさんの「探偵小石は恋しない」を読んだ感想を書いていきたいと思います。

本書は2026年の本屋大賞のノミネート作品にもなった、超話題の1冊です。

この作品の魅力は、圧巻の大どんでん返しとずば抜けた主人公の魅力です。

この作品を読むべき理由を書いていきたいと思います!

あらすじ(ネタバレなし)

主人公の小石は福岡市の探偵事務所で働く27歳の女性。この探偵事務所には代表の小石の他に相談員の蓮杖(れんじょう)、アルバイトの雛未(ひなみ)が働いています。

小石は探偵として謎を解決することを夢見ていますが、小石の元にくる依頼は色恋調査ばかり。それは小石は不倫調査がとても得意であるからですが、度重なる不倫調査に飽き飽きしています。不倫調査にやりがい、充実感は一切ないですが、適性だけはあるのです。

ある時、いつもと変わらないような、不倫調査の依頼が来ます。探偵事務所で小石と共に働く相談員の蓮杖はいつもの不倫調査と何ら変わらないような気がしていましたが、小石だけはそれが普通の不倫調査でないことを見抜いており、そこから少しずつ物語が動き出します

主人公、小石の魅力

言うまでもありませんが、主人公のキャラクターは小説の印象を大きく変えてしまうものです。

本作の主人公、小石。私は彼女のキャラクターは多くの人を魅了すると確信しています。私は小石のような考え方や行動をする人は大好きで、読み終わった後は「もう小石の話を読むことができないんだ…」という喪失感が襲ってきました。小石がなぜ魅力的だと考えるのか、以下の3つに分けて解説します。

感情豊か

感情を表面に出す。思ったことをすぐ言ってしまう性格で、その潔さが私には魅力的に映りました。敵対しているユーチューバーにはアンチコメントをするほど真っすぐに行動するタイプです。人は大人になるにつれて、思ったことをすぐ口に出したりしなくなっていくと思います。その点、小石のような人は単純にうらやましいです。この小説を読んでいる間だけ、私たちを子供にしてくれる、そんなキャラクターです。

その点、蓮杖とは真逆で、蓮杖は相手がどう受け取るのかを考えながら話すタイプで、小石と蓮杖の相性の良さがこの物語を一層よくしています。

割り切っている性格

浮気調査の時は蓮杖は調査相手が浮気していると落ち込みますが、小石は恋人への誠実さの期待を持っておらず、調査相手が浮気をしていても落ち込むことはありません。これは浮気調査を重ねることで慣れていったわけではなく、他人に期待をしていないのです。

一貫性 

「探偵として推理をして謎を解決したい」という信念のもとで常に行動しているため、推理が介入する余地がありそうな依頼が来るととてもに喜びますし、そうでない依頼はあからさまにつまらなそうにします。

この一貫性が彼女のキャラクターを明確なものにしており、読者に納得感を与えます。

物語に出てくる「謎」の面白さ 

やはりミステリー要素はこの作品を語る上で欠かせません。この作品は途中まで軽い謎解き要素しか出てこないため、読んでいる時に不安にすらなりました。しかし、心配はいりません。

この物語の結末には唸るようなラストが待っています。

ここを言ってしまうと作品を読む面白さが激減してしまうため、内容は伏せますが、作者を信じて読んでほしいということだけ伝えたいです。

独自の美学を持つ小石

私はこの作品を読んでいる中で、胸に刺さる小石の名言がいくつもありました。

「人生を楽しむコツはいかに現実にフィクションを持ち込めるかだよ」

「世の中に良い人なんていなくて、人に良いところと悪いところがあるだけだよ」

これらの考え方は私の生き方を変えてしまうくらい、心に響きました。また、私が刺さった名言はこれら2つですが、人それぞれ響く言葉が違うと思いますので、ぜひ自分で本書を手に取って読んでほしいです。

終わりに

ミステリー好きな人、小石の魅力に浸りたい人などはぜひ読んでみて下さい!

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